循環器内科の対応疾患

主な疾患

疾患名 疾患の簡易解説

虚血性心疾患(急性心筋梗塞、狭心症など)

虚血性心疾患(急性心筋梗塞、狭心症など)は心臓を栄養する冠動脈が動脈硬化で狭くなり胸痛を自覚する病気です。虚血性心疾患の診断は12誘導心電図やトレッドミル運動負荷試験、運動もしくは薬物負荷心筋シンチ、冠動脈CT、心臓カテーテル検査などの検査を病態に応じて選択して行います。検査結果を総合的に判断して最適な治療方針を決定します。

狭心症の段階であれば心臓へのダメージは軽度ですが、急性心筋梗塞へ至ると急激に冠動脈が詰まることにより、心筋が壊死してしまします。非常に危険な疾患で数時間から数日で亡くなられる方もいらっしゃいます。急性心筋梗塞の予後は発症から治療開始までの時間に大きく左右されるため当院では早期に治療を行えるように循環器当直を置いております。

救急部にて心筋梗塞や狭心症と診断された方は、速やかにカテーテル室に移動し心臓のカテーテル検査を行います。心臓カテーテル検査では腕や足の血管からカテーテルを挿入して心臓の血管を造影します。閉塞や狭窄が確認されれば病変部をバルーンで拡張してステントを留置します。近年ではステントは留置せず、狭窄部位にバルーンで薬物塗布をして治療を行うことも多くなっております。軽症であれば数日経過を見て退院いただきます。重症の場合は数日集中治療室で経過を見たのちに一般病棟でリハビリを行います。

心筋は一度壊死すると改善することはないため長期的にみても寿命にかかわってきます。壊死した心筋自体は元に戻りませんがリハビリで全身の筋肉を鍛えることにより心疾患の発症や寿命が延びることが複数の研究から明らかになっております。当院では心筋梗塞のになった約80%の患者様に入院中に心臓リハビリを受けてもらっています。退院後も当院へ通院可能な方は外来で半年~1年間、週1回程度のリハビリを行っております。

当院では上記の様な虚血性心疾患治療を年間200例前後実施しております。胸痛や動悸、呼吸苦などありましたらお気軽にご相談ください。

下肢閉塞性動脈硬化症

足の動脈が動脈硬化によって狭窄または閉塞し、下肢の血流が不足することで生じる疾患です。歩くとふくらはぎ・太もも・お尻の裏が痛みますが、休むと改善して再び歩けるという症状(間欠性跛行といいます)が一般的です。足の冷たい感じやしびれる感じから見つかる人もいます。さらに重症になると休んでいるときも痛みが続く、足の傷が治らない、足先が黒く変色してくる等の症状があります。これは包括的高度慢性下肢虚血(CLTI : Chronic Limb-Threatening Ischemia)とよばれ下肢閉塞性動脈硬化症の最も重症な状態です。

狭窄があるかどうかは、手と足の血圧の比(ABI)や足の皮膚の灌流圧(SPP)を測ることで調べます。狭窄が疑われた場合、どの血管が悪くなっているかを血管エコーやCTMRIで調べていきます。

血管への治療はカテーテル治療(EVTEndovascular Therapy)とバイパス術があります。患者様の状態に応じて治療方針を検討し、当科ではEVTを行っております。

EVTのメリット

・傷が小さく体への負担が少ないため、術後の回復が早いです。そのため高齢の方や持病がある方でも治療が受けやすいです。

・入院期間が短く、一般的には2泊3日で治療を受けられています。

・技術や器具の進歩により治療成績が向上しており、日本のガイドラインでは腸骨動脈病変や25cm未満の浅大腿動脈病変についてはEVTが第1選択となっています。

■ 治療の流れ

① 細い管(カテーテル)を入れます

足の付け根や手首や肘から、注射をして細い管を血管の中に入れます。局所麻酔を行うことで、強い痛みはほとんどありません。

② 詰まっている場所まで進めます

レントゲンを見ながら、詰まっている部分をとても細い糸のような金属のワイヤーで通していきます。

③ 血管を広げます

風船のような器具で血管を広げます。必要に応じて、金属の筒(ステント)を入れて再び詰まりにくくします。血管の部位によってはステントが入れられない場合もあります。

④ 管を抜いて、注射した部分の止血を行います

狭窄の程度にはよりますが治療自体は1~3時間ほどで終わり、治療後に注射した部分を圧迫して止血を行います。多くの方が翌日には歩けるようになります。

心房細動 心房細動とは、心臓の上の部屋(心房)が電気信号の乱れで「小刻みに震えた」状態になり、本来規則的に働くはずの心臓のポンプ機能がうまくいかなくなる不整脈です。日本では100万人以上が心房細動を発症しており、高齢化とともに増加傾向にあります。
心房細動では、血液がよどむことで血栓(血液のかたまり)ができやすくなります。その血栓が脳に流れると脳梗塞を引き起こすことがあり、大きな後遺症が残る可能性もあります。また、心房細動では脈が速くなることで心臓に負担がかかり心不全に進展することもあります。
主な症状はドキドキ(動悸)、脈がとぶ、息切れ、胸が苦しい、めまい、立ちくらみなどです。ただし、症状が全くない方もいます。
診断は、心電図、ホルター心電図(24時間から5日)などにて行います。
治療は薬物治療やカテーテルアブレーション治療があります。
薬物治療は症状の緩和、不整脈の再発予防、脳梗塞の予防を目指す治療です。
アブレーション治療は、心房細動を根本から治すことを目指す治療で、当院でも積極的に施行しています。熱を使用する高周波、冷凍凝固アブレーション、パルス電圧を使用するパルスフィールドアブレーションなどがありますが、病状に合わせて治療法を選択しております。
アブレーション治療は、体への負担の少ない治療です。当院では、入院期間は3泊4日で行なっており、適切な麻酔方法で治療中の痛みなどを感じずに、退院後も早期にもとの生活に戻れるように心がけて治療を行なっています。
 心不全 心臓リハビリ  心不全(HF:Heart Failure)とは
心臓は、酸素や栄養を含んだ血液を全身に絶え間なく送り出す重要な臓器です。心不全とは、心臓に何らかの障害が生じることで十分な血液を送り出せなくなり、息切れ、むくみ、倦怠感などの症状が現れる命に関わる病気です。
心不全で入院される方は年々増加しており、2015年には年間約15万人でしたが、2040年には年間25万人に達すると推計されています。また、高齢化に伴い、がん・肺炎・骨折など心臓以外の疾患を併せ持つ患者さんも多く、一人ひとりの状況に応じた治療が求められています。
心不全治療の目的
心不全治療の基本は、高血圧症、心筋症、虚血性心疾患、不整脈、弁膜症など、心臓に生じた問題を適切に治療し、症状を改善・安定させることです。治療には、生活指導、薬物療法、カテーテル治療、手術などがあり、患者さんの状態に応じて最適な方法を選択します。
当院の取り組み
当院では心不全ガイドラインに基づき、患者さん一人ひとりに寄り添った安心できる心不全診療を提供しています。日常診療では、薬物調整や手術だけでなく、生活習慣のサポートや再発予防にも力を入れ、患者さんが日常生活を無理なく送れることを大切にしています。
また、救急診療体制も整えており、体調が急に悪化した際にも迅速かつ高度な医療を提供できるよう備えています。
心臓リハビリテーションについて
当院では専門スタッフによる心臓リハビリテーションを実施しており、体力の回復、息切れの改善、再入院予防を目指したプログラムを提供しています。
心不全と向き合う患者さんとご家族が、前向きに日常生活を送れるよう、これからも丁寧で寄り添った支援を続けてまいります。

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